視覚障害者用PDAソフト「DTalker Mobile」がVer2.0にバージョンアップされました。 MP3形式の音楽データを取り込んで再生できるようになったり、メモ帳で編集できるファイルサイズがフリーになったり、CFカードを介して気軽に文書ファイルの読み書きができるようになったりと、視覚障害者のモバイル環境が充実してきました。
しかし、何と言っても目玉は音声地図ソフト「音しるべ」だと思います。 カーナビなどで使用されているGPSシステムを利用し、今自分がどこにいるか、またどの方向に進むとどんなものがあるかをリアルタイムに知ることができます。
「音しるべ」を利用するには三つの方法があります。
このサービスは、今回ご紹介するDTALKERは使いません。
まず、携帯電話で位置情報を取得します。
そして、Vモードのテレフォンサービスに電話をかけ、電話のプッシュ操作で音声地図を参照し、現在位置や周囲の建物の情報を得ることができます。
携帯電話だけ持ち歩けばいいので手軽ですが、Vモードサービスの音声ガイダンスのレスポンスが悪く、また時々立ち止まって電話をかけなければならず、目的地にたどり着くのに時間がかかると思います。また、携帯電話の通話料金もけっこうかかると思います。
PHSの中継アンテナは数百メートルごとにあるため、どの中継局を利用して電話をかけているかでおおよその位置が判るようです。
GPSは地下街では利用できませんが、PHSは地下街でも使えるので、地下街のお店を探すのにも利用できるかもしれません。
GPSアダプターは、2万円弱で購入できるそうです。
まず、出発する前にインターネットに接続し、目的地付近の音声地図データをPDAに取り込みます。自宅でCFカードタイプのランカードを使ってインターネット接続してもいいし、PHSや携帯電話で名古屋駅の新幹線ホームで東京の音声地図を取り込む、というようなことも可能です。ただ、一度に取り込める音声地図は半径2キロメートルなので、複数のエリアを移動するとき、あるいはエリアを外れてしまったときは改めてダウンロードが必要になります。
目的地付近についたらGPSアダプターにCFカードを差し換えます。
DTALKERのメインメニューから「その他」を選び「音しるべ」を選びます。 カーナビでも、位置を設定してからナビゲーションが始まるまで、位置取得に一・二分かかりますが、音しるべも最初は時間がかかります。
十メートルくらい歩く度に「位置を補正しました」という音声が聞こえてきます。
「現在地」のボタンを押すと、今どの方角を向いていて、近くにどんな建物があるか音声で教えてくれます。さらに、八方位の方向ボタンを押すと、その方向の建物の情報を教えてくれます。
建物は、ホテル、飲食店、病院、郵便局、名所旧跡など、しぼり込んで案内させることもできますし、半径30メートル以内、百メートル以内、500メートル以内のように指定することも可能です。直接店名を検索文字とすることも可能です。
不況ですから、テナントを登録しておくとその内容が変わるといけないからか、ビル名しか登録がなかったり、デパートの中の催事場やごく一部の飲食店だけが登録されていたりするのが気になります。
おもしろいのは、現在地を登録し、音声地図サーバーに掲載することもできることです。「このレストランなかなか素敵!」と思ったら、自分の声でお店の雰囲気を録音し登録する、なんて使い方もできます。(あまりやり過ぎるとサーバーに負荷 がかかっちゃうかな!)。
改善していただきたいのは、自分が向いている方角と、進みたい方向の案内の関係です。今向いているのが北東なのに、右後方、なんて言われても混乱してしまいます。八方位と前後左右斜のガイドを自由にカスタマイズできるといいかもしれません。
まだ細かな音声地図データが登録されている地域は少ないと思います。今回歩いた名古屋市中区栄周辺でも、一本裏通に入ると「音声データがありません」というつれない返事が返ってきます。視覚障害者が実際に歩いてサーバーに登録したり、ボランティアの方々にも登録していただいたりして、元になる音声地図が充実することを期待したいと思います。
「音しるべ」について詳しくは ボイスリンクまで