鍼治療については、大きく分けて西洋医学的な考え方による治療と、東洋医学的考え方による治療法があります
神経・僅肉、血管等を狙って、血行を改善することを目的に治療します。
患部に置疹して電気を流したり、遠赤外線等で温めたりすることもあります。
また、電気が流れやすい所が
経穴は単独で存在するのではなく、経絡と呼ばれる電気の配線のようなつながりがあります。頚や腰に鍼をして、足が温かくなるような感じがする、というのも経絡のつながりによるものと思われます。足つぼマッサージも経絡を利用した治療の一つと言えるでしょう。
経絡は、経験医術によって体系化されてきました。西洋医学の神経や僅肉、血管と一致するところもありますが、そうでないものも多くあります。
東洋医学では、心臓は心を司ると言われていますが、西洋医学では物事を考えたり命令を出したりするのは脳ですよね。でも、精神的なものはひょっとしたら心臓なのかも!
東洋医学では肺が皮膚を司ると言われますが、確かに喘息の患者さんで皮膚がカサカサしている人は多いです。
ですから、経験医術で培われてきたものを否定することはできないのです。
鍼灸マッサージの専門学校では、主に西洋医学的な治療法を学びます。
私は学生時代、経絡治療に興味を持ち、経絡治療をなさっている先生のところで勉強させていただきました。そのため、患部を強く圧迫しなくても、軽く撫でるだけで悪い部分を見つけられるようになりました。
経穴は、いつも同じ場所に存在するのではなく、生きて働いています。治してほしい経穴は顔を出しています。鍼を経穴に当てるだけで吸い込まれるような感じがしますし、逆に鍼をされたくない経穴に鍼を刺そうとしても抜けてきてしまうという経験をしたことがあります。「ここが経穴だ」と確信が持てるようになるために、三人一組になって、一人は患者役、もう一人は触診や鍼をする役、あと一人は脈を診る役になって、脈の状態が変わったところで「そこ」と教えてもらう、という訓練をしました。経穴に指や鍼が触れると、脈が落ち着いたり、締まった感じになるんです。
私が専門学校を卒業して二年間勤めた鍼灸院は、どちらかというと西洋医学的な考え方で治療をしていました。院長が、開業なさる前に整形外科に勤めてらっしゃったため、運動器疾患の治療法について勉強させていただきました。
「西洋医学的考え方と東洋医学的考え方のよい所だけを採り入れて」なんて都合がいいことは考えていません。
いろんな勉強会に参加して、自分が「これだ!」と納得できることを実践しています。
私にとっては、勉強会に参加することが商品の仕入れです。医学は日進月歩です。いつも新鮮な商品を消費者の皆様にご提供させていただくこと、それが患者様に対してよい治療をさせていただき、早く治っていただくことにつながると考えています。
私はアマチュア無線の免許も取りましたし、オーディオも好きです。しかし、治療には電気はあまり使わず、一本一本の鍼で患者様の体との対話をする「手当て」を大切にしています。